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熱海果樹園(下多賀)に堂々とイノシシ現る

  • しょうえつ
  • 6 日前
  • 読了時間: 6分

これまでも熱海・下多賀の果樹園にイノシシが侵入した形跡はありました。


しかし、私としては

「電気柵をしっかり張ってあるから、まあ大丈夫だろう」

と、どこかで安心していたところがあります。


しかも電気柵は4線張り。


イノシシはもちろん、鹿にもある程度対応できるようにしているつもりでした。


今から思えばこの「大丈夫だろう」という気持ちこそが、いちばん危なかったのかもしれません。



約2週間、果樹園を空けてしまった


今回まず反省したのは、果樹園へ行かない期間が長すぎたことです。

約2週間。

人間にとっては「あっという間の2週間」でも、野生動物にとっては十分な時間なのでしょう。


イノシシ君からすれば、


「最近、人が来ないぞ」

「ここは大丈夫そうだ」


となったのかもしれません。


動物は、私たちが思っている以上によく見ています。


人が来ている場所なのか。

草が刈られているのか。

危険があるのか。

安心して入れる場所なのか。


そんなことを、ちゃんと観察しているのでしょう。



被害に遭ったのはキウイ


今回、目立った被害を受けたのはキウイでした。

1本のキウイの株元が、深さ30センチほど掘られ、一部の根がむき出しになっていました。


これを見たときは、

「ここまで掘るのか!」

と驚きました。


しかも、ちょうど雨のあと。

土が柔らかくなったところを狙ったのでしょうか。

まさに穴掘りのプロです。


これまでも甘夏などの株元を掘られたことはありましたが、キウイでは初めてでした。

ではなぜキウイの株元を掘ったのか。


キウイそのものが目的だったとは考えにくく、土の中にいるミミズや昆虫、その他の餌になるものを探していた可能性が高そうです。


実際、敷き草を厚くしている場所が掘られることは、これまでも何度か経験しています。

土が湿って柔らかく、餌になる生き物も見つけやすい。

イノシシ君にとっては、なかなか魅力的な場所なのかもしれません。



草を伸ばしすぎることにも要注意


今回、果樹園を見回りながら、もう一つ気づいたことがあります。


それは、

草を伸ばしたままにしておくことが、イノシシにとって好都合な環境をつくってしまう可能性がある

ということです。


私は自然農法を行っていますから、草を敵とは考えていません。

草には草の役割があります。


土を裸にしない。

乾燥を防ぐ。

さまざまな生き物の住処にもなる。


ですから、何でもかんでも草をなくせばよいとは思っていません。


しかし、果樹園の管理という視点から見ると、「草を生かすこと」と「草を放置すること」は違うのだと思います。


今回、特に二つのことを感じました。


1.人の気配がない場所をつくってしまう


草が腰丈近くまで伸びれば、イノシシにとって身を隠しやすい場所になります。

そして何より、

「最近、人が入っていない」

というサインにもなってしまいます。


反対に、定期的に草が刈られ、人が歩いた跡があり、ところどころ手が入っている。

それだけでも、野生動物に対する一つの牽制になるのではないでしょうか。


結局のところ、

果樹園は「人が管理している場所ですよ」と知らせ続けることが大切

なのだと思います。


2.土が柔らかくなりやすい


草が繁茂した場所は、地表が乾燥しにくく、土も比較的柔らかく保たれます。

今回も、草が繁茂していた傾斜面をかなり掘られていました。


人間がスコップを入れても、草に覆われた湿った場所は比較的掘りやすいものです。

イノシシにとっても、同じなのでしょう。


自然農法では草を大切にします。

しかし、イノシシが頻繁に出る地域では、

「草をどう生かしながら、どこまで管理するか」

という視点も必要だと感じました。



そこで、早速草刈り


そんなことを考えながら、その日は早速、果樹園の草刈りを始めました。


イノシシに、

「ここは人がちゃんと来ているぞ」

と知らせる意味もあります。


ところがです。


草刈りをしながら電気柵の周辺を確認していると、今回の侵入の最大の原因と思われるものを発見しました。


そして、思わず声が出ました。

「ああ〜、これだ!」



なんと、電気柵の電源が外れていた!


電気柵の電源装置を見ると、

プラス側の端子が外れていたのです。

抜き差しするタイプの端子でした。


これでは、いくら4線張りの立派な電気柵を作っていても意味がありません。

電気が流れていなければ、ただの「線」です。


イノシシ君にしてみれば、

「何だ、これは怖くないぞ」

ということになります。


おそらく風などで電気柵のワイヤーが引っ張られ、その力が端子に伝わり、いつの間にか外れてしまったのでしょう。


これが、今回の侵入を許した最大の原因だったのではないかと思います。



「設置したから安心」ではなかった


ここで大いに反省しました。


私は、

電気柵を設置したことで安心していたのです。

しかし、本当に必要だったのは、

「電気柵が今も正常に働いているか確認すること」

でした。


考えてみれば当たり前のことです。

電気柵は、

設置して終わりではない。

張って終わりでもない。


定期的に点検して、初めて役に立つ。


今回、それをイノシシ君から身をもって教えてもらいました。



端子も抜けにくいものへ変更する


今後は、抜き差し式の接続だけに頼るのではなく、丸型端子などを使い、必要なところは圧着ペンチでしっかり固定することにしました。

簡単には抜けない接続方法にしておけば、同じトラブルはかなり防げるはずです。


そして、果樹園へ行ったときには、


  • 電源は入っているか

  • 電線が切れていないか

  • 草や枝が電線に触れていないか

  • 支柱や接続部分に異常はないか

  • 実際に十分な電圧が出ているか


ここまで確認する。

これを習慣にしようと思います。



もう一つの教訓――青竹を支柱にしない


そして今回、もう一つ改めて注意しようと思ったことがあります。


電気柵の支柱に、生の青竹を使わないことです。

青竹は水分を多く含んでいます。

そのため、電線との接触の仕方によっては漏電の原因になり、電気柵の効果を弱めてしまう可能性があります。


自然のものだから使いやすい。

手元にあるから経済的。

そう思って使いたくなるのですが、電気柵に関しては、絶縁性を考えた専用支柱を使う方が安心です。



今回、イノシシ君から教えてもらったこと


今回の出来事で、つくづく感じました。

野生動物対策で一番怖いのは、

「これで大丈夫」と思ってしまうこと

なのかもしれません。


4線張ったから大丈夫。

電気柵を設置したから大丈夫。

以前は被害がなかったから大丈夫。


そう思った瞬間から、少しずつ管理がおろそかになる。

相手は野生動物です。

こちらの事情など知りません。


私たちが2週間行かなければ、その2週間の間に、彼らは彼らなりに学習しているのでしょう。


今回、私が学んだことをまとめれば、

「防獣対策は、設備よりも日々の管理が大切」

ということになります。


電気柵を張ることも大切。

草を管理することも大切。


しかし一番大切なのは、

自分の目で畑を見続けること。


これは自然農法にも通じることかもしれません。

畑に足を運ぶ。

作物を見る。

土を見る。

草を見る。

そして、ときにはイノシシ君の足跡も見る(笑)。


やはり畑は、机の上では管理できません。

畑に行くこと。

結局、これが一番の基本なのだと改めて教えられました。


イノシシ君、今回は高い授業料にならずに済みました。


でも次は、そう簡単には入れませんよ。

こちらも少し、賢くなりましたから。


 
 
 

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