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78歳から自然農法に本気で取り組む理由!

  • しょうえつ
  • 6月10日
  • 読了時間: 5分

ここまで生きてこられたことは、少し奇跡に近いのではないか。


そんなことを、最近よく思います。


8年前に妻を見送り、その後、義兄、実兄、義弟と、大切な人たちを次々に見送ってきました。そうなると、ふと心のどこかで思うのです。


「次は自分の番なのだろうか」と。


人生のカウントダウンが、静かに始まっているような感覚があります。


できることなら、あと20年は元気で生きたい。

けれど、今の自分の体を正直に見つめると、そう簡単なことではないとも感じます。


まず、脚の筋力が確実に落ちてきました。


毎日一万歩以上歩いているにもかかわらず、です。

若い頃のようにはいかない。

老いは、こちらの都合などお構いなしに、加速度的に進んでいくように感じます。


次に、歯です。


これまで大事にしてこなかったツケが、今になってきています。

特に奥歯が危うい。ブリッジにしている部分が抜けたら、もう最後かもしれない。

そう思うと、食後の歯磨き、寝る前の歯茎マッサージも、今の私にとっては大切な日課です。


そして、高血圧。


朝の数値が200を超えることもあります。

まさに毎日が命がけ。自分でできることとして自彊術を始めました。

まだ1ヶ月ほどですが、効果を急がず、とにかく続けることを大切にしています。


さらに、前立腺肥大による夜間頻尿。

特に冬場は、眠りを妨げられることも少なくありません。


こう書いてくると、我ながら思います。


「本当に、よく生きているなあ」と。


自分に感謝状をあげたいくらいです。



では、そんな私の命を、ここまでつないでくれているものは何か。


そう考えた時、真っ先に浮かぶのが、自然農法です。


私は今、週の半分ほどを大磯へ、残りの半分ほどを熱海へ通っています。

移動は、バス、電車、そして徒歩。決して楽ではありません。


大磯には「こごし自然農園」があり、約30種類の野菜を自然農法で育てています。

熱海には「こごし果樹園」があり、青島ミカン、ニューサマーオレンジ、キウイなどを栽培しています。


耕作は、できる限り耕運機を使わず、鍬一本で向き合うことを大切にしてきました。

もちろん今は、体力に合わせて無理はしません。

軽く鍬を入れる程度で済むことも増えました。

それだけ土が柔らかくなってきたということでもあります。



自然農法は、私にとって単なる農業ではありません。


体を動かす場であり、命をいただく場であり、生き甲斐そのものです。


健康に直結するものは、やはり日々の食べ物です。

どうせ食べるなら、体が喜ぶものがいい。

自然の光と風の中で、露地で育ったもの。

化学肥料や動物性堆肥に頼らず、農薬を使わず、土と作物の力を信じて育ったもの。


そんな野菜を、自分の手で育て、自分の体で味わえることは、何よりの恵みです。


周りの木々を見ていると、いつも教えられます。


誰かが肥料を与えているわけでもないのに、毎年すくすくと枝を伸ばし、葉を広げ、実をつける。

そこに、人間の小さな計算を超えた自然の摂理があります。


自然が先生。


この言葉が、年を重ねるほど深く胸に染みてきます。



今、私は自然農法を実践しながら、塾生の皆さんに秀明自然農法の基本も伝えています。

自然農法というと、「自然に任せておけばよい」と思われることもあるかもしれません。


確かに、雑草の中で悠然と育つ野菜を見ると、そう感じる瞬間もあります。

しかし、自然に任せることと、放っておくことは違います。


大切なのは、よく観察することです。


土は生きています。

野菜も生きています。

こちらが一方的に何かを与えるのではなく、相手の声なき声を感じ取る。

土の表情、葉の色、草の勢い、虫の動き。

そこに、たくさんのメッセージがあります。


毎朝日課としてNHKの英会話を聴いています。

英語の勉強のためでもありますが、もう一つ、口や舌、喉の筋肉を鍛える意味もあります。人が話す時には、多くの筋肉が関係していると言われていますから、これも私なりの老化防止対策です。


そんなある日の放送で、思わず耳を疑うような会話が流れました。


庭の花をきれいに咲かせている人に、近所の人が尋ねます。


「何か特別な肥料やコツがあるのですか?」


すると、その人はこう答えるのです。


「毎日眺めているだけです」


水をあげ、育ち方を見て、小さな変化に気づく。

よく観察していると、花のほうが何を必要としているか教えてくれる。


これは、まさに自然農法そのものではないか。


私は驚きました。


自然農法とは、何か特別な技術を振り回すことではなく、命に向き合う姿勢なのだと思います。


見ること。


気づくこと。


待つこと。


そして、必要な時に、必要なだけ手を添えること。


これは、農業だけの話ではありません。

人間関係にも、健康にも、老いにも通じることではないでしょうか。


78歳になった今、私は若い頃のように勢いだけで動くことはできません。

体の不安もあります。

できないことも増えてきました。


それでも、畑に立つと、不思議と前を向けるのです。


土に触れると、まだ自分にもできることがあると思える。

種を蒔くと、未来に小さな約束をしたような気持ちになる。

芽が出ると、生きる力を分けてもらえる。


だから私は、78歳からでも自然農法に本気で取り組みます。


長く生きるためだけではありません。


残された時間を、より深く、より丁寧に、より命に近いところで生きるためです。



自然農法は、私にこう教えてくれます。


人は、年を取ってからでも成長できる。


土も、体も、心も、手をかければ応えてくれる。


そして、人生の最後まで、人は誰かの役に立つことができる。


それが、私が今、自然農法に本気で取り組む理由です。

 
 
 

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